屋外でリユーザブル カップを一緒に持ちながら喜ぶグループ

750,000 個以上のカップがリユース用に返却

オーフスは、TOMRA Reuse による再利用パイロット事業の成功から 1年目を迎えます

1年を経て、デンマーク・オーフスで、世界初の都市規模での再利用可能なテイクアウト容器のパイロット事業が行われ、外出先での利便性とより循環型の社会の実現が両立できることが実証されました。これまで最も再利用されたリユーザブルカップは、33回利用されました。

2024年1月17日、TOMRA とデンマークのオーフス市は、コーヒーカップとグラスを手始めに、都市規模で、再利用可能なテイクアウト容器のパイロット事業を始めました。3年間のパイロット事業は、都市が使い捨て容器から再利用可能なテイクアウト容器へ移行する実現可能性とメリットは何かを概念実証し、その上で、より大規模な展開に必要なものを明らかにすることを目指していました。

「年間を通じて、多くの努力があり、多くのことを学びましたが、それが新しいソリューションを最初から構築する本質です。2 つの重要な成功要因を強調したいと思います。1つ目は、オーフス地方自治体との素晴らしいコラボレーションです。オーフス地方自治体は私たちと共に革新と共同創造に真剣に取り組んでくれました。そして 2 つ目は、バリスタやレストランのスタッフが人々に再利用可能な製品を選ぶよう教育し、説得してくれたことです。システムをより使いやすく、魅力的で、便利なものにするための取り組みを継続します。」とTOMRA Reuse 責任者のガイエル・セーテル (Geir Sæther) 氏は述べています。

街のコーヒーショップの外で、透明のリユーザブルカップでコーヒーを手にした、T シャツ姿の女性

その仕組みは?

オーフスで導入された「REUSEABLE」というブランドのシステムは、当初、市内のカフェやファストフード店でテイクアウトドリンクを購入する際に、消費者が使い捨てカップの代わりに選べる再利用可能なカップを対象にしていました。再利用可能なカップを選んだ消費者は、飲み物を購入する際に 5 DKK(0.67 ユーロ)のデポジットを追加で支払います。このデポジットは、オーフスにある自動回収機のいずれかでカップを返却すると、消費者にデジタルで返金されます。 システム全体の詳細については、 こちらをご覧ください

ユーザー体験が採用を促進

パイロット事業実施1年後の結果は、とても励みになるものでした。オーフスの地方自治体とエピニオン*が共同で実施したオーフスの市民を対象にした調査では、ユーザーの大半がシステム全体に満足していると回答しています。

さらに、この調査によると「REUSEABLE」を頻繁に利用する方は、システムを 1 度か 2 度しか使ったことのない方に比べ満足度が高い傾向がありました。システムを頻繁に使用すほど満足度が高まる傾向は、(使い捨て容器に比べ)回収スポットまで容器を返却しに行く手間自体は、システムの定着を妨げる要因にはならないことを示唆するものです。

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* リユーザブル研究は、エピニオンの常設パネルパートナーを通じて収集されたオーフス市の住民 1,039人のウェブインタビューに基づいています。回答は、2024年11月26日から 12月8日までの期間に収集されました。

2024年12月におけるオーフスの住民の REUSEABLE に対する満足度を示すグラフ

パフォーマンス向上のための意見収集

この調査では、オーフスの住民に、システムをより使用してもらうための動機付けとなる改善点があるかどうかも尋ねました。まだこのシステムを一度も使ったことがない住民に使ってもらえるよう促すには、リユーザブルカップが販売されている施設すべて、あるいは、その近くに、より多くの回収機を追加することが最も重要な要因でした。

オーフスの住民が再利用可能な製品の利用拡大に向けて、求めている要素を示すグラフ

初年度のハイライト

1月17日に市内中心部の「リル・トーウ」で開催されたオーフスの屋外プレスイベントでは、寒い日にもかかわらず、参加者はリユーザブルカップで提供されたコーヒーと、オーフス自治体技術サービス・環境担当のニコライ・バン氏、TOMRA CEO 兼社長のトーヴェ・アンデルセン、オーフス市長のジェイコブ・バンズガード氏によるスピーチで暖を取りました。

春夏の暖かい季節が到来するにつれ、市内では再利用可能なシステムを活用したアウトドアイベントが数多く開催されました。そのうち最大のフェスティバル「Festuge」では、10日間の期間中に 95,000個以上のリユーザブルカップが販売されました。これは、使い捨てカップならゴミ箱 1,200個以上に相当します。

「オーフスの多くの住民や事業主が率先して行動し、使い捨て包装材の課題に対する新たな解決策を試す準備ができていたことは、本当に素晴らしいことでした。オーフスは、より標準化されたリユーザブルソリューションの開発を支援しており、このプロジェクトには国内外から大きな関心が寄せられています。私たちの経験が、例えば、国家財務法で資金が割り当てられたばかりのリユーザブルパッケージに関する国家パートナーシップにプラスの影響を与えることを願っています」とオーフス市の技術・環境担当参与のニコライ・バン氏は言います。

2024年1月17日、オーフスでのリユーザブルパイロット事業が正式に開始:(左から)オーフス自治体の技術サービス・環境担当 ニコライ・バン氏、TOMRA CEO 兼社長トーヴェ・アンデルセン、オーフス市長 ヤコブ・バンズガード
2024年1月17日、オーフスでのリユーザブルパイロット事業が正式に開始:(左から)オーフス自治体の技術サービス・環境担当 ニコライ・バン氏、TOMRA CEO 兼社長トーヴェ・アンデルセン、オーフス市長 ヤコブ・バンズガード

初年度末には、オーフスで75万個以上の再利用可能なカップが返却されましたこれは、オーフスの廃棄物管理システムから約7,500個の廃棄物容器に相当する使い捨てカップを排除できました。  

今後の展望

TOMRA のリユーザブル飲料カップと食品包装の両方に対応する新しい回収機のロールアウトなど、パイロット事業の2年目には新しい開発が継続されます。オーフスでのパイロット事業の成功は、他の都市にも同様の取り組みを始めるきっかけとなり、複数の都市や地域で「外出先で使える」リユーザブル容器プログラムの拡大が見込まれます。