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中国の輸入規制はグローバルリサイクルを活性化しうるか?

中国の輸入規制は、廃棄物や金属の輸入に関する前例のない制限をもたらしますが、一方で他の市場に新しいビジネスの機会を提供します。 トムラソーティングリサイクルでは、グローバルな廃棄物リサイクル事業がその変化の中でどのように活用できるかを提案します。

06 7月 2018

近年、世界中の廃棄物やメタルの管理者は、膨大な量のプラスチック、紙、金属およびその他のリサイクル可能な廃棄物を中国に輸入する事で処理をするという方法に頼りきっていました。

ですので、20182月に発動された24種類の廃棄物の中国への輸入の禁止、異物混入に対する厳しい基準の設定がなされた中国輸入規制は、グローバルリサイクルの観点から「壊滅的なインパクト」をもたらす「災い」として多くの人に見なされています。

しかしながら、中国の輸入禁止は、新たな2つの大きな利点と機会を伴うビジネスを提供しています。 第一に、より高度なセンサベースの選別技術を使用して、異物混入のレベルが最大限に低く、又純度を最高レベルに保つことができる輸出業者は、その基準を満たした製品をもって中国と取引し続ける事ができ、その競争において優位な地位を得ることができます。また、よりきれいな製品を欲している顧客を新たに獲得する事ができます。

第二に、中国の廃棄物処理の圧迫は、政府やリサイクル業界が代替サプライチェーンを模索する触媒の役割をし、この条件を満たす為の追加投資は世界中の廃棄物選別やリサイクル事業に新たなビジネスチャンスを提供します。

さて、ここでは中国輸入規制とは一体どのようなものか、それがどのように世界の廃棄物管理の変化の触媒としての役割をし、どのように競争における優位を得ることができるかを説明します。

 

中国輸入規制とはなにか

簡単に言えば、中国輸入規制とは原材料としての固形廃棄物の輸入に関する最新かつ厳格な規制です。 この規制は、プラスチック、紙、固形廃棄物を禁止しています。これはPETPEPVCPSなどのプラスチックを含みます。 また、スクラッププラスチック、ゾルバおよびその他の金属に対する異物混入度の基準について、9095%の純度であったものが、99.5%に上昇する厳しい基準を設定しています。

2013年のグリーンフェンス関税撤収の反応として、最新の動きでは、中国の空気の汚染状態を改善し、「汚ない。更に言えば有害な廃棄物」による汚染を減らし、違法な密輸を防ぐことも目的のひとつです。中国の関係者はさらに、コンテナをX線装置でスキャンし、X線でスキャンできないコンテナは開けて調べる、という新しい規則を施行する計画であることを発表しております。

中国は世界の廃棄物紙の55%を処理し、他のリサイクル可能な材料の主要な処理場でもあるため、この輸入規制はすでに世界の廃棄物管理に大きな影響を与えています。 中国の環境保護省と中国スクラッププラスチック協会によると、すでに中国に輸入された廃プラスチックの量は、2017年には350万トンあったものから今年は万千3百トンに減少しています。

 

中国輸入規制から生じたビジネスチャンス

中国が廃棄物の輸入量の異物混入の許容限度を510%から0.5%に減らした事によって、異物混入が低く、純度が高い製品を取り扱う輸出業者の需要があがる可能性があります。

コンプライアンス確保の為の最も効果的な方法は、ビジネスにおける持続可能性と運用上の価値を最適化するためのサポートをする高度なセンサーベースの選別技術を使用することです。 最先端の機械は超高周波で動作し、材料の正確な識別を可能にし、最小の粒子を正確に検出します。

廃棄物選別機は、レーザー、電磁気、近赤外線(NIR)技術を搭載し、色、組成、サイズ、密度などの複数の材料特性を分析する事ができます。そしてその分析により使用できない原材料は圧縮されたエアにより除去されます。

異物混入品を除去すると同時に、非常に効果的な選別技術により、貴重な金属やプラスチックを非リサイクル廃棄物から回収し、製品歩留まりを最適化します。

技術革新(テクニカル イノベーション)は、TOMRAの最新レーザーオブジェクト検出(LOD)技術により、黒色プラスチック、ガラス、および廃棄物のリサイクルにおける歩留まりを最適化することで、業務効率を継続的に改善しています。 LOD技術は、既存の機械のソート機能を強化し、黒色プラスチック(PPPEPET)、ガラスおよび廃棄物などの近赤外線(NIR)センサーでスキャンできないオブジェクトを識別するためのアドオン(追加オプション)として提供されます。また、最大限のパフォーマンスを引き出し、大幅なダウンタイム(作業中断時間)の減少、紙、zurik(ズーリック)zorba(ゾルバ)製品からのより多くのアウトプットを得ることができます。

したがって、規制によって一部の企業にとって実際の市場に混乱が生じる一方、他の企業はこの規制を自社においての選別プロセスを更に最適化することにより、中国にとって信頼できるサプライヤーとしての地位を確立し、中国での市場シェアを新たに獲得する機会であると捉えています。

 

変化の触媒(動機づけ)の面としての中国輸入規制

中国の廃棄物規制は、世界各国の国内リサイクル能力を再活性化させることによってもプラスの影響を与えています。 これは国内の選別およびリサイクル事業が、既存の洗練されていない廃棄物の収集業者およびブローカーが握っているサプライチェーンを代替する為の競争の上で、アドバンテージを獲得する機会を提供します。

東南アジア、南米、中米などの廃棄物原料の一般的な最終目的地では、ヨーロッパと同様に、中国の輸入規制により輸出が出来なくなった輸出業者からの需要が増加しています。

オーストラリアでは、ニューサウスウェールズ州政府の中国輸入規制に対する対応として、廃棄物の国内分別、処理およびリサイクルを促進するための支援パッケージに66.9百万オーストラリアドル(41.84百万ユーロ)を投資しました。 「業界はリサイクル材料の中国に代わる市場を見つけるための緊急の課題に直面しているが、これは現地市場とNSWニューサウスウェールズ)リサイクル産業を強化する機会でもある」と述べています。

同様に米国のミズーリ州セントルイスにあるスクラップリサイクル産業の研究所でのイベントでは多くの参加者が、「市場が北米で入手可能な豊富なスクラップ金属を処理するため各々の工場をアップグレードする事は適切であると感じている」と述べています。

最後に、ヨーロッパでは回収プラスチックやその他の廃棄物を収集する多くの産廃収集業者やブローカーは、スクラップ材料が2017年末までに中国への輸出は実質的に停止すると見ています。 代わりに、廃棄物管理者は、ヨーロッパでの国内のリサイクルに関するよい機会になると感じ、それはマレーシア、ベトナム、タイの廃棄物バイヤーも同様に感じています。

 

資源革命をリードする

投資は革新をもたらします。 したがって、中国輸入規制は、世界的な廃棄物管理とリサイクル産業に急なチャレンジとなった一方で、明るい未来がある、という事です。

この変革の背後にある取り決めは、新しい埋立処分技術の設計と実施から来ております。これは、埋立処分量が少なくなり、主要資源の採掘も少なくなり、環境汚染も少なくなるという事になります。

要するに、廃棄物および金属管理産業にとって世界規模でのビジネスチャンスが訪れた、という事になります。 センサーベースのリサイクルソーティングソリューションに投資することで、企業は純度を最適化し、異物混入を削減し、資源に対する革命を導くことができるようになります。

 

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By トムラソーテイングリサイクル トム エング